2015/04/26

今すぐ不幸をやめるための、かなり確実な方法 その2



つづきです。


バイロン・ケイティさんの提唱している「ワーク」は、要するに考え方のエクササイズです。

習慣化している考え方を、少し離れた場所から見てみて、それがどのように作用しているかに気づくためのエクササイズ。

なので、このように考えるべき、考えた方が良い、というような提案は一切ありませんが、ケイティさんは『Loving What Is』の中で、「多くの人に役立つ原則」として、次の5つを紹介しています。

これをベースにすると問題が整理しやすくなる、という原則です。

Noticing When Your Thoughts Argue with Reality(自分の考えが現実と衝突していることに気づく)

Staying in Your Own Business(あなた自身の問題だけを考えるようにする)

Meeting Your Thoughts With Understanding(自分自身の考え方を理解する)

Becoming Aware of Your Stories(あなたの物語に気づく)

Looking for the Thought Behind the Suffering(苦悩のもととなっている考えを探し当てる)


この中で、私の場合、一番てっとり早く思考の習慣を変えるためのテコのように役立ったのは、「あなた自身の問題だけを考えるようにする」という考え方でした。

以下、またちょっと長いですが『Loving What Is』からの引用。(拙訳)

< 私の知る限り、この世界には三種類の問題しかありません。

私の問題、あなたの問題、そして神様の問題です。
(私にとって「神様」というのは「現実」のことです。現実は神です。すべてを支配しているのですから。何事であれ、私やあなたや、誰のコントロールも及ばない事柄を、私は「神様の問題」としています)

私たちの感じるストレスの大部分は、自分自身の問題ではないところに自分を置いているのが原因です。

私が「あなたは仕事を見つけるべきだ、幸せになるべきだ、時間を守るべきだ、もっと自分の身の回りをきちんとすべきだ」と思う時、私は「あなたの問題」に立ち入っています。私が地震や洪水、戦争、それに自分がいつ死ぬのかについて心配している時、私は「神様の問題」に立ち入っているのです。

私があなたの問題や神様の問題に立ち入っていると、切り離された感覚に陥ります。>



<あなたがあなた自身の人生を生きている時に、あなたの人生を私が生きようとしたら、ここで私の人生を生きているのは誰なのでしょう? あなたの人生を、二人が生きていることになってしまいます。

あなたの問題に立ち入っている間、私は自分自身の問題に向き合うことが出来ません。私は自分自身から切り離され、なぜ自分の人生がうまくいかないのかと悩むことになります。

誰かにとって何が一番良いのかを知っている、と思う時、私は自分の問題から離れているのです。たとえそれが愛によるものであっても、それは全くの傲慢であり、その結果もたらされるのは緊張と不安と恐怖でしかありません。

では、私は私にとって何が良いのかを知っているでしょうか? 唯一、それだけが、私の問題です。誰かほかの人の問題を解決しようと思う前に、まず私は自分の問題を解決しなくてはなりません。

三つの問題の違いをよく理解して自分自身の問題に集中することが出来れば、人生を、考えも及ばないほど自由なものにすることが出来るでしょう。

この次にストレスを感じたり、落ち着かない気分になったりした時には、「私は今、誰の問題に立ち入っているんだろう?」と自分に尋ねてみてください。もしかしたら大笑いしてしまうかもしれません。

この質問は、あなたを自分自身に引き戻してくれます。ひょっとすると、あなたは自分が今までずっと、今この時に生きることなく、誰かほかの人の問題の中に生きようとしていたのだ、と気づくかもしれません。>

(引用ここまで)

考えてみれば当たり前みたいなことなんですが、なかなかこうすっぱりと割り切れず、何もかも自分の問題として悩んでいた時期が、いかに長かったことか。

それまで重荷に感じていたものが自分の荷物じゃなかったとことに気づいて、自分の影響が及ばない範囲のことは悩んでも仕方ない、とだんだん割り切れるようになってきたことで、かなり人生がシンプルになりました。

たとえば、子どもに宿題が出来る環境を整えて、時間を作ってやるのは親の役目(自分の問題)。だけど子どもがどれだけ学ぶか、結果を出すかどうかは 、子どもの問題。

自分の力の及ぶ範囲で問題を解決するために最善を尽くしたと思えるなら、あとは神様の問題に分類する。

誰かが私が過去にしたことや私の存在そのものに腹をたてているとしても、今の時点で私にできることがないなら、それはもう「私の問題」の箱にいれておく必要はない。

ケイティさんの本は、私が最初に読んだときには日本語版は絶版になっていたのですが(もうはや10年以上前!)、その後、水島広子さんという有名な精神科医の方の翻訳で日本語書籍『探すのをやめたとき愛はみつかる』が出て、この『Loving What Is』の日本語版らしい『ザ・ワーク』という書籍も刊行されていて、さらに日本語版のウェブサイトも出来てました。

私自身はクリスチャンなんですが、前回書いたように、これは本当に無色透明といっていい実際的なエクササイズなので、宗教を持っている人にも、無宗教の人にも、スピリチュアルな傾向に興味のある人にも、まったくない人にも、まんべんなく役に立つツールだと思います。



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