2010/12/19

季節限定


季節が変わるたびにめまぐるしく新製品があふれる日本とは違って、アメリカって季節限定の商品はあまりないんだけど、ハロウィーンとクリスマスとイースターの時だけはスーパーの棚がすっかり衣替えして、それぞれシーズンの色に包まれたチョコやキャンディがずらっと並ぶ。クリスマス色は赤、緑、金色…。

ハーシーのキスチョコもクリスマス仕様。キャンディケーンのもようのペパーミント入りホワイトチョコが可愛い。

シアトルの地元チョコレート会社 Theo chocolate のクリスマス用フレーバー。



サンタやトナカイのチョコはレトロなホイル包み。


いつもはコーヒーにお砂糖は入れないんだけど、スターバックスが赤いホリデー用カップを出す季節になると、スパイスの効いた甘いシロップ入りの「ジンジャーブレッド・ラテ」とか「ペパーミント・モカ」とかが飲みたくなる。季節限定に弱いんですねえ。

このへんのスタバには暖炉装備の店も多い。冷たい雨の夕方にはホイップクリームの乗った甘い飲み物をもって暖炉の前でぬくぬくするのがが嬉しい。

2010/12/18

アジア美術館


陽の短い午後、丘の上にあるシアトルアジア美術館 Seattle Asian Art Museum へ。

日本、中国、韓国、インドなどの美術品が収蔵されていて、展示点数は少ないけどゆったり見られる。入館料は「寄付のみ。suggested donation が7ドル」。

エントランスホールでは、中国の現代作家Wang Huaiqingのミニ回顧展をやっている。

よくわからないけど非常にシンプルな画面の中にいろんな方向に猛スピードで働く力が描かれている気がする。若い頃描いた労働者万歳なポスターもあって、大変面白かった。
中国というとつい簡単に一面的なイメージを探してしまいたくなりがちだけど、その中身にはほんとうに複雑な層があることが少し実感できた気がする。

はにわの時代のものから現代美術まで、アジア各地の美術品が幕の内弁当のようにちょこちょこと少しずつ展示されている。日本のものでは、浮世絵も数点。



ひすい色の古い中国のお皿がモダンな椅子に良く似合う。


ライブな表情とコスチュームがかっこいい唐代の四天王像は、いつかどこかで会った気がする。
奈良のお寺のお像たちと同世代なので、衣装や表現が似ているのだろう。

奈良京都のは皆木像だけれども、これは彩色陶器。いったいどんな巨大竃で焼いたのでしょう。
思いっきり踏まれても無表情なシカが、けなげ。

「あーはいはい、これは私の仕事ですから」と、卑屈になるわけでもなく、しゅくしゅくと職務をまっとうしているシカ君が少し眩しい。



建物は、1933年建造の美しいアールデコ様式。

もとは、ここがシアトル美術館の本館だった。今は、本館はダウンタウンのウォーターフロントにある。




正面入り口の吹き抜けガラスがドラマチック。

ちょうどここから夕陽が差し込んで、インドの神々の石像が照らされていた。



玄関脇にはらくだもいます。

2010/12/14

パイナップル・エクスプレス


シアトル周辺の北西部一帯は、週末から大雨にみまわれた。
感謝祭前に雪が降った頃とはうってかわって、気温は10度以上に上がり、季節はずれに生暖かくさえ感じる風が吹き、川があふれるほどの雨で、地滑り被害も出た。

週末から本格オープンを宣言していた近郊のスキー&スノボゲレンデも、雨に降られて一部オープンに切り替え。


 冬のこの時期に山の上にまで季節外れの雨を降らせるこんな嵐は、「Pineapple Express」と呼ばれている。ハワイ諸島から太平洋を北上して、生暖かい湿った空気をたくさん運んでくる嵐。




ハワイとシアトルの縁は深い。ハワイの知り合いで、たとえば甥だとか姪だとかおばさんだとか、誰かしらシアトル近郊に縁者がいるという人はすごく多いし、ハワイの高校を卒業ししてシアトルの大学に来る学生も多い。

シアトルの町中でも、ハワイの島やハイビスカスのステッカーを貼った車をよく見かける。

気候はずいぶん違うのに、何か、のんびりした空気がよく似ている。



人だけじゃなくて、雨までハワイからやって来るんですね。


2010/12/11

クリスマスライト


 シアトルダウンタウンのクリスマスライト。バナリパ前。

クリスマスの飾りのライトのことを、日本では「クリスマスイルミネーション」と呼ぶのが一般的らしいが、米語ではほとんどの場合 Christmas lights と呼ぶ。ぐぐってみると、"Christmas lights"では「 約 42,900,000 件」、"Christmas illuminations"では「約 114,000 件」。ウィキペディアの記事もChristmas Lightsとなっていた。

illuminations で検索してトップに出てくるのは外国人向けに日本の人が書いた日本のイルミネーション名所案内だった。上位に来てるのはほかにも日本のサイトが多い。英国のサイトもあるので、クイーンズ・イングリッシュではilluminations のほうが一般的なのかもしれない。

 日本では「クリスマスライト」というと、飾り付けられた状態のじゃなくて飾り用照明のブツを指し、飾った状態でキラキラしているものを「イルミネーション」と呼び分けてるようですね。


これは Macy's 前。

「ルミナリエ」は見たことないけど、東京もともと街並みがピカピカ清潔で街灯も明るいので、この時期になるともう本当に街中がキラキラしている。それに比べると、シアトルのクリスマスライトは落ち着いているというか、地味。

日本のクリスマスイルミネーションは、東京ディズニーランド開園あたりから本格的になってきたのじゃないかと思う。それから山下達郎が流れるバブルの時期を経て、ものすごく洗練された独自のものになった。シアトルのクリスマスライトはまだLEDもそんなに使われていないし、たぶん30年前とそんなにかわっていない。照明デザイナーが演出する、青や紫のLEDを駆使した東京の繁華街のイルミネーションとは比べるべくもない。

もともとアメリカの街の照明は日本に比べると暗い。街灯もオレンジ色だし。
日本に帰るたびに、東京の夜の明るさに本当に驚く。郊外の住宅街だって道は水銀灯でくまなく照らされてるし、夜中もコンビニの蛍光灯が輝いているし。なにもこんなに明るくしなくても、といつも思う。そこまで街を明るくしたいと思う原動力って何なのだろう。

アメリカでは住宅街の中に、極端に力の入ったクリスマスライト作品(と呼ぶしかない)がぱらぱらと脈絡なく存在する。どの住宅街にも一定の割合で、クリスマスライトに命をかけている家が存在して、巨大スノーマンとかトナカイが前庭に出現する。

 12月になると近所をこんな格好で走り回るおじいちゃんもニュースになっていた。可愛いじいちゃん。感電しないといいけど…。


Macy's 前には小さな回転木馬も毎年設置され、大きなツリーも飾られているのだが、何となく寂しい。クリスマス前の週末なのに、今年は買い物客の人出が少ない気がする。不景気のせいか。来年は上向きになってくれるでしょうか。

2010/12/07

FISH!

シアトルの観光名所ナンバーワン、パイクプレイス・マーケットの魚市場。
FISH!』で有名な魚やさんは、今日も元気に魚を投げている。


有名なわりに意外とちっちゃい魚屋で、売り場の半分以上を占めているのはカニと鮭。もうちょっとバラエティが欲しいところだけど、日本の魚屋さんほどの多彩さは期待できないにしても、漁港の町だけにそれなりに新鮮な魚介類が手にはいる。

 鮭を買うと、威勢の良い兄ちゃんたちが一斉に「はいーっ!鮭一本お買い上げえ〜〜!」みたいなかけ声とともに奥のほうにひょーっと魚を投げるパフォーマンスが超有名。
カメラを構えて遠巻きに待っている観光客のところに、時々奥からぬいぐるみの魚を投げておどかしたりする。特に若い女の子が来ると、お兄ちゃんたちの張り切り具合もマックスに。


 少年、魚に遭遇の図。「I'm lingcod! (ぼく、キンムツ)」という札をつけられて吊るされた巨大魚の頭をこわそうに見ている。(食用の)魚の頭なんか日常生活で見ることないんだろうねえ。


 魚はさすがに思いとどまったけど、このあと美術館>図書館のコースだったのについ見たことのないキノコがあったので、買い物袋を取り出した勢いで梨とみかんも買ってしまった。重かった。お買い物は計画的に。市場にいくと理性をなくしてしまう傾向があるので気をつけなければ。

 手前の chanterelle mushroomはスーパーでもよく見かける、このあたりでよく採れる種類。日本名はアンズタケ。 加熱すると、アンズのような甘い香りがある、わりに肉厚のおいしいキノコ。
この日は初の「hedgehog mushroom 」(「ハリネズミ茸」?これは日本名みつからなかった)という、これも地元産野生のキノコを買った。名前の由来は、傘の下に小さな針状の突起がたくさんあってハリネズミのように見えるからだと思う。
ベルベットのような食感で、香りも良い繊細なキノコでした。

市場の入り口には産地直送のクリスマスツリーが並んでいた。



 花屋さんの前では、学生風の二人がクリスマスソングを演奏中。師走ですねえ。

2010/12/06

ガム壁

師走のパイクマーケット。


ここの半地下にあるPost Alley は、ガム壁で有名。

レンガと石畳の風情ある小路なのだが、壁いちめんがカラフルな使用済みチューインガムでびっしり覆われている。
「横15メートル、縦4.5メートルにわたって」ガムがひっついているそうです。




ここにある劇場の入り口に並んでいた観客が、誰からともなくガムをはりつけはじめたのが始まりで、かれこれ10年、ガムはどんどんたまって今ではシアトルのもっとも不衛生的な観光名所になっている。
去年はCNNで「世界5大不潔観光名所」にも選ばれた。



写真で見るとグロいけど、実際見てみると意外にガム感はあまりない。
この右の女の子みたいに、ベロ接近で記念撮影するワカモノが多くて、思わず制止したくなる。お母さんは、それは感心しないな。

2010/12/01

秋の名残り


あっという間に12月。

これは数週間前の写真。
うっかりしているうちに雪が降って、もう冬景色になってしまった。今年の秋の最後の写真をまとめて…。ポプラも今では丸裸。

 今年のメープルは、去年よりも少し色が薄かったような。あまり気温が急に下がらず、雨が続いたからかな。
これはフィニーリッジのあたり。

 シアトルには日本のモミジも庭木としてたくさん植えられていて、日本庭園もあるのだけど、今年は機会がなくて行けなかった。残念。

これは葉っぱの形がかわいい樫の木。


もう本当に夜が早い。4時半にもなるともう真っ暗。
日の入り時刻の一覧表によると、12月の2週めが実は一番日の入りが早くて、日没時間が4時17分とか。5時にはもうとっぷりと夜、8時にもなると真夜中の気分。

一年でいちばん暗い季節にイルミネーションで家や街を飾るのは、ウツ防止の役にたっているのでしょう。