2014/09/21

パラダイスと滝と山麓のパイ


8月の週末、レーニア山国立公園(Mt. Rainier National Park)の「パラダイス」側に行ってきました。

タホマ山、またの名をレーニア山、を取り巻く広大な国立公園には東西南北に4つの入口があって、南西の入り口から南の山腹をうねうねとのぼり、東側の山すそを巻いて東北に抜ける道路があります。

南の山腹にある「パラダイス」は訪問者が一番多いエリア。標高は1,600メートル。
シアトルからだと、東回りでも西回りでも、約2時間半のドライブです。
 


高い吹き抜けの天井のある巨大なビジターセンターでは、レンジャーが周辺のハイキングトレイルの状態などの情報を親切に教えてくれたりハイキングマップをくれるほか、山や自然を紹介する映画用のシアターとギフトショップとフードコートも完備。
このセンターはわりに最近、2008年に新築されたばかりです。



吹き抜けのロビーのガラス窓から見えるパノラマが豪華。
まるでリゾートホテルのロビーみたいです。

どうしてアメリカの国立公園の「ビジターセンター」って、ここまで立派なんだろうか。
さすが、南極観測基地の中にボウリング場を作ってしまう国。
「休憩所」とか「小屋」とかではなくて、「センター」ですから。
たとえば富士山の五合目とかに日本の政府がこんなに大きくて派手な「センター」を建てるという発想はないはず。

ルイス&クラークの時代からの、「苛酷な自然環境を克服して生きのびて、ここに文明開化の町を作るんだぜぃ」という開拓者的な意志のDNAが、自然保護を主な使命とするはずの国立公園にも無意識のうちになんとはなしに受け継がれている気がします。
 
このエリアは古くから観光客が来ていたところで、ビジターセンターの向かいには1916年に創業した大きなロッジ風のホテル「Paradise Inn」があり、山の中腹にぽつんとできた小さな町のようです。


クルマをまったく降りずに上がってこられるので、ご老人や赤ちゃんもたくさん来ています。

ビジターセンター付近は、山の中というよりも、ショッピングモールかファミレスに行くみたいな格好の人のほうが多い。

ここで子どもの誕生日パーティーをしたのか、 なぜか風船を持った人もいました。

いろんな国の言葉が聞こえる、国際的観光地です。


するっとクルマで通り抜けるだけでも充分山の雰囲気は味わえるのですが、やっぱりちょっとだけでもトレイルを歩いてみると、すれ違うハイカーもごく少なくて、ごった返している駐車場エリアとは極端に違う、静かな山の一角が満喫できます。



この日はパラダイスより少し手前の「Narada Falls(ナラダ・フォールズ)」の下からの短いトレイルを歩いてみました。

ナラダ・フォールズはかなり大きな、綺麗な滝です。滝の上に駐車場があり、満員御礼のパラダイスよりも余程空いていました。
駐車場のわきのピクニックテーブルでアジアの家族が鍋いっぱいの焼きビーフンを食べていて、すごくおいしそうでした。

トレイルは滝の下から始まってます。

往復約3マイル(5キロ弱)ですが、最初の半分の上りがけっこうきつかった。
なにしろ普段の運動量が、家から出て歩いたのが郵便受けまでの数十歩だけ、とかだったりする生活なので当然です。


針葉樹の森の中のよく整備された道でした。

クリスマスツリー(ダグラスファー)の甘い香りが漂う気持ちの良い小道。
登りが20分かそこら続きます。(足の速い人なら10分なのかも…。本当は1時間くらい登った気分でした)



なんだかマシュマロ的なきのこ発見。



Tatoosh Range (タトゥーシュ山脈)のPinnacle Peakが木の上に覗いています。
「タトゥーシュ」はチヌーク貿易語だそうですが、感じの良い響きです。
少なくとも「レーニア」とか「マッキンレー」みたいな、まったく土地に縁のない名前ではないのが嬉しい。


トレイルはReflection Lakeという小さな湖まで。ここでのんびり休憩して引き返して2時間くらい。

山には雲がかかってしまって、水面に映る姿は見られませんでした。
ようやく雲がいくらか切れて、輪郭があらわれたところ。

 

帰りに寄ってみた、「Copper Creek Inn」。
国立公園のゲートから5分ほどの Ashford という村にある人気ダイナー。いつも繁盛してます。

夕飯のお客さんで満席だったので、コーヒーとパイを持ち帰りました。


ブラックベリーのパイ、酸っぱさと甘さの配合がちょうどよくて、美味しかったです。

しかし、これでこの日歩いた分の倍くらいのカロリーを摂取してしまったような気もします。



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2014/09/14

Portage Bay Cafe


うちの少年がお気に入りのブランチ処、Portage Bay Cafeのバラード店に行ってきました。
U-ディストリクトとサウスレイクユニオンにもあります。
バラード店はバラード・ロックスのすぐ近く。

営業は午前7時半から午後2時半まで。


倉庫のような天井の高い、広くて飾り気ないけど清潔感のある明るいお店。
スタッフも明るくて親切。


ランチの時間にいったので、わたしはサラダにしました。
バターナットスクワッシュのロースト、チキンの胸肉、クランベリー、フライにした辛いナス、葉っぱ。
ドレッシングがとっても控えめですが、おいしくいただけました。でもナスが辛かった。


同行のCTちゃんはがっつりパンケーキ。

ここの目玉は、ブレックファストメニューを頼むと、新鮮フルーツやクリーム、ナッツ、シロップなどのトッピングをのせ放題の「ブレックファスト・バー」がついてくること。
フルーツはすべて、地元のオーガニック農場のものだそうです。
パンケーキやフレンチトーストが来たら、そのお皿を持って「ブレックファスト・バー」に行って好きなだけてんこ盛りにしてくるシステム。

週末の朝はものすごく混むらしいですが、今度はいつか朝ごはんで行ってみようと思います。

本当に最近、地産地消を全面に押し出したレストランが増えてきました。ノースウェストは気候の上でも環境の上でも、バラエティに富んだ新鮮な果物や野菜が豊富に手に入る恵まれた土地です。



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Portage Bay Cafe


うちの少年がお気に入りのブランチ処、Portage Bay Cafeのバラード店に行ってきました。
U-ディストリクトとサウスレイクユニオンにもあります。
バラード店はバラード・ロックスのすぐ近く。

営業は午前7時半から午後2時半まで。


倉庫のような天井の高い、広くて飾り気ないけど清潔感のある明るいお店。
スタッフも明るくて親切。


ランチの時間にいったので、わたしはサラダにしました。
バターナットスクワッシュのロースト、チキンの胸肉、クランベリー、フライにした辛いナス、葉っぱ。
ドレッシングがとっても控えめですが、おいしくいただけました。でもナスが辛かった。


同行のCTちゃんはがっつりパンケーキ。

ここの目玉は、ブレックファストメニューを頼むと、新鮮フルーツやクリーム、ナッツ、シロップなどのトッピングをのせ放題の「ブレックファスト・バー」がついてくること。
フルーツはすべて、地元のオーガニック農場のものだそうです。
パンケーキやフレンチトーストが来たら、そのお皿を持って「ブレックファスト・バー」に行って好きなだけてんこ盛りにしてくるシステム。

週末の朝はものすごく混むらしいですが、今度はいつか朝ごはんで行ってみようと思います。

本当に最近、地産地消を全面に押し出したレストランが増えてきました。ノースウェストは気候の上でも環境の上でも、バラエティに富んだ新鮮な果物や野菜が豊富に手に入る恵まれた土地です。



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2014/09/12

バジルシードのドリンク


さいきん、良く見かけるようになったバジルシードのドリンク。これは韓国系のスーパー、Hマートにて、ためしに買ってみました。お値段は、2ドル弱。

はちみつ味です。



コップに注ぐと、ますます濃厚なツブツブ感がたっぷり。


どこからどうみても、ビジュアルは春先田んぼに浮いているカエルの子どもたちですね。

タピオカとかチアシードとか、こういうツブツブものは大好きなので、おいしくいただきました。

でも甘っ。蜂蜜そのままって感じの甘さでした。

お腹の中で膨れて満腹感が続くのでダイエットに良いというのがメリットだそうですが、だったらこんなに甘くしなくても良いと思う。

ココナツウォーターとバジルシードのこんな簡単なドリンクレシピ(ていうか、混ぜるだけ)を見つけたので、このつぎは自分で作ってみようと思います。


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2014/09/11

Goodwill でハンティング


レイバー・デイ(9月最初の月曜日で、今年は9月1日)の前にGoodwill に行ったら、もうパンプキンが飾ってあってびっくりした。

レジの前に、すっかりやる気満々のハロウィーンコーナーが出来ていました。早っ!



たしかに、ハロウィーンといえばGoodwill。 1年で一番のかきいれどきなのかもしれません。しかしまだ新学期始まったばかりなのにー。

ハワイにいたとき、息子が5年生だったかのハロウィーンに、たまたま巨大アフロ頭にしていたので「ジミヘン」をやらせたことがありました。

Goodwillでヘチマ型のサングラスを見かけて思いつき、その場でぴちぴちのタイトなパンタロン(当時は女性用0号がちょうど良かった。かわいい体型だった)と70年代風ジャケット、頭に巻く用の長いスカーフを見繕いました。全部で15ドルもしなかったと思う。母としてはかなりの自信作でした。本人はあまりわかってなくて、ジミヘンて何?俺だれ?みたいな状態だったんですけど、トリック&トリートで回った先のお父さんたちに、けっこうウケてました。



「騎士のつくりかた」なんて親切なガイドも売ってます。

このハロウィーンコーナーは中古品じゃなくて新品がほとんどですが、でもさすがGoodwill(ていうか、さすが、シアトルのGoodwillというべきか)。
ほんものの紳士用のキルト(スカート)なんてしろものもちゃんとある!



「グッドウィルでハンティング」とい親父ギャグのしょうもないタイトルをずーっと前に思いついてニヤニヤしていたんですが、書こうと思ってるうちに、愛するロビン・ウィリアムズ氏が亡くなってしまった。

大ショックでした。あまりにもあまりにも悲しい。

ロビン・ウィリアムズが亡くなってすぐ、息子がGoodwill Hunting をNetflixのストリーミングで初めて観て、「すげえグッドムービーだ」と感動してました。



Goodwill大好き。木馬も売ってるしゴリラも売ってるし(買わんけど)。

カマボコ型倉庫のような外見の広い店の中は、家具、洋服、靴、レコード、本、食器など宝の山。


うちから歩いて5分くらいのところにあるバラード店、私は密かにシアトル中で品揃え最高だと思ってます。ここでは洋服も、J.Crew、Banana Republic、Ann Taylorなんかのそこそこ新しいのをよく見かけたりする。

今までにGoodwillで買った服の中で一番のお買い得は、ほぼ新品のアルパカ100%セーター。たしか7ドルとか、そんな値段でした。もう3シーズンは着ているけど、毛玉もぜんぜん出ないし軽くてあたたか。バナナリパブリックでプロパーで買ったセーターよりもよほど長持ちしてます。

家具コーナーと食器コーナーは必ずチェック。ファイヤーキングやオールド・パイレックスを、街のアンティークショップの何分の1かの値段で探し出すのが楽しみ。

貧乏な母子家庭なので、ウチの家具といえば主役はGoodwillです。

去年引っ越した後、ダイニング用の椅子はすべてGoodwillで調達しました。1脚すべて10ドル以下。

ほんとうに欲しい椅子は1脚1000ドルくらいするし、ピア・ワンとかIKEAの東南アジア製の椅子にそこそこの値段を出すよりは、誰かがいらなくなったのを買うほうが環境にも財布にも優しいしね、と超自己満足のWin-win買いもの天国。

Goodwill 家具は素性も状態ももちろんピンキリなので、コンディションの良い気に入ったものを見つけたら迷わず即ゲット。
学校が新学期で移動する人の多いこの時期、8月~9月は、家具の数が多くって狙い目です。



 

この椅子2脚は、素材も良くて作りもしっかりしてはいたものの、塗装がはがれて汚かったので、去年の夏休みにヤスリがけと塗装を息子に命じました。
ニス代と紙やすり代が20ドルくらい、椅子本体が各7ドルくらい。

そしてこのディナー皿とは運命の出会いが(大げさ)。

これ、むかし4枚持っていたうちの1枚を割ってしまって、以前はバラ売りしてたのにもう今はセット販売しかしてないので買い足せず、10年越しで心にかかってたもの。その皿が2枚、Goodwillバラード店のごちゃごちゃした皿売り場の片隅で、私を待っていてくれたのです。


もう1個、最近の自慢はこのボーンチャイナのパスタ皿。これも7ドルくらい。
フルーツを入れる大ぶりのボウルが欲しいなと思っていたのでちょうど良かった。
欲しいと思って気長に探すと何かしら必ず描いていた通りのものがいつか出てくる、魔法のようなGoodwill。

そして、Goodwillの良いところは、文字通りなんでも引き取ってくれるところ。

日本のリサイクルショップは本当に細かくて、寄付するつもりでも受け取ってくれないものの方が多いですが、アメリカの場合は中身もなにも見ずに太っ腹で受け取ってくれます。

中身がたとえ穴のあいた靴下でも着古したパンツでも焦げ付いた鍋でも人骨でも、持っていけばとりあえず何でも受け取ってくれるのです。

(追記:これは私がそんなモノを寄付してるって意味じゃありませんよ~~! 
寄付されているモノの山を見てると、どう見てもあの袋の中には人の役に立ちそうなモノがあんまり入ってそうもないなー、という風情のがけっこうあるって話です。偏見かもしれないけど、だって第一、みんなビニールのゴミ袋に詰めて持ってきてるし)

先日はベルビューのGoodwillでほんとに人間の頭蓋骨が3つも寄付されていたのが発覚して、大騒ぎになりました。

バラード店の場合は店の横のとこにドライブスルーがあって、係の人が待ち受けているので、袋や箱に入れたままの不要品をどさっとおろしていくだけ。
店によっては無人のコンテナのようなものの中に不要品を置いていくシステムのとこもあります。

寄付されているうちの何割が人様の役に立つのかは謎ですが、とにかく自分でゴミ箱に入れなくても良いという免罪符を与えてくれるので、断捨離にはたいへん役に立つのです。

Goodwillは非営利組織だから、ちょっとくらい無駄なものを買ってしまっても寄付だと思えば良い。

どこまでもWIN-WINのショッピングセラピーです。


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2014/09/07

ピンクフラミンゴの謎


アメリカの謎はいろいろありますが、大きな謎のひとつが、ピンクフラミンゴ。


なぜ、庭にピンクのフラミンゴがいるのか。


70年代のキッチュなはやりものだと思っていたら、今でもちゃんとガーデンショップに売っている。

シアトルはバラードの住宅街でも、何%かの割合で、お庭にプラスチックのピンクのフラミンゴがいる家が存在する。

なぜ?洒落なのか、本当に好きなのか、何かの魔除けなのか。教えてーフラミンゴ。


ハロウィンが近くなってくるとこんなガイコツフラミンゴも登場してきます。


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2014/09/06

ベルビュー植物園の吊り橋とフクシア



ベルビュー植物園(Bellevue Botanical Garden)の改築工事が完成したようです。
入り口がこんなに立派になっていました。

入場は無料。夜明けから日暮れまで、毎日オープン。

気のきいたギフトショップもあります。
カフェもあったらいいのに。


入るとすぐにこんな和風のあづま屋が。

園内はロックガーデン、スプリングコートヤード、水を節約したサステナブルなガーデンの見本である「ウォーターワイズ」ガーデン、などいくつかのエリアにわかれてます。

いまはフクシアガーデン(Fuchsia Garden)が花ざかり。


英語のfuchsia は「フューシア」という発音ですが、日本語の「フクシア」はドイツ語読みから来ているのでしょうね。ここのフクシアガーデンは、地元のフクシア愛好会(Eastside Fuchsia Society)の方がたが丹精しているものだそうです。

日本語では花そのものは「フクシア」と呼びますが、色については最近「フューシャピンク」という呼び名が定着しているようでね。ややこしい。



ガーデンのなかにあちこちに座れる(=手入れの良い/まだ新しい)ベンチがたくさんあるのもこの植物園の良いところ。

せっかくベンチがあっても、 雨の多いシアトル近郊では苔が生えちゃってたり鳥フンがひどかったり埋もれていたりすることも多いのです。たとえば沈みゆくベンチもあった、ワシントンパーク植物園とか


「YAO Garden」という名の、垣根をめぐらせた日本風庭園もあります。
 これ、「八尾ガーデン」だったんですね。

大阪の八尾市とベルビュー市が姉妹都市になったのを記念して、70年代に造られたのが後からここに移転されたんだそうです。


とっても立派な本格的な門があります。
どこの大工さんが作ったものか、「釘を使わないで建てられた」とパンフレットにありました。

「伝統的な日本庭園を真似たものではなく、植物にもデザインにも日本とノースウェストのそれぞれの影響を融合させたもの」だそうです。

ポートランドの日本庭園も、規模はこれよりもずっと大きいですが、やはりそんな感じでした。


懐かしい日本の花もちらほらと見られます。これはホトトギス。



子どもの頃、庭のホトトギスの蜜をちゅうちゅう吸うのが好きだったのを思い出しました。
花の下のぷりっと膨らんだところに蜜が入っているのを誰に教えてもらったのだったか。


園内をぐるりと廻るメインの散策路は10分もあれば回れてしまうくらいですが、 その先に「Lost Meadow」(「失われた園」!)という名前のついた0.5kmくらいの小径もあります。



トレイルの先には、ちょっとした谷の上に吊り橋がかかってます。

静かな谷の上に、キツツキがこんこんこんこんとメープルの幹を叩く音が響いていました。






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